火災で焼失した那覇市の首里城について、沖縄県警と消防は電気系統設備を回収し、火災との関連を調べている。電気系統のトラブルは火事だけでなく、水害の際にも生じることがあり、一般家庭も要注意だ。
県警は正殿1階が火元とほぼ断定。1階北東側で大きな光が点滅し、その後、煙が出ている様子が防犯カメラに写っていた。
照明やコンセントに電気を送ったり遮断したりする「電灯盤」と呼ばれる大型の電気系統設備を回収して調べている。
電気保安協会全国連絡会事務局の担当者によると、電気系統設備をめぐる短絡(ショート)などのトラブルは、分電盤につながる電線などで起きることが多いという。
「コンセントのプラグの両極の間にホコリや水分がたまり、間に電気が流れて発火するトラッキング現象のほか、電線などを強い力で踏みつけたり挟んだりして、電線を守るビニール製の被覆が痛み、電線同士がくっつき短絡することもある」と担当者は語る。
先月の台風19号では川崎市・武蔵小杉のタワーマンションの一部で、多摩川から逆流した水が地下に流れ込んで配電盤が使えなくなり、停電や断水が生じた。「水没の場合、漏電による感電防止で停電する。規模にもよるが、乾いても細部に水分が残っていたりすれば短絡や感電のリスクがあり、すぐには復旧できない」という。
一般家庭でも分電盤はブレーカーの裏側などに設置されている。前出の担当者は、「漏電遮断機が動作するか、日頃から確認しておくのは難しい。トラッキングを防ぐため、コンセントにプラグをしっかり差してあるかを確認したり、掃除したりすることが大事だ」と指摘した。
首里城には年間294万円の保険料が支払われ、支払限度額は70億円であることも判明した。保険料の支払いは首里城の管理・運営を委託されている「美(ちゅ)ら島財団」が行っており、保険金の受け取りは首里城公園を所有する国となっている。保険金額に関し、沖縄県の担当者は同委で「現段階でいくらというのはまだ把握していない」と述べた。
焼失した正殿や北殿など7棟の建設費用は約73億円だった。