海外から不正な肉類、果物などの持ち込みを防ぐ動植物検疫探知犬が6月、鹿児島空港に配備され、7月には宮崎空港でも活動を始めた。不正な持ち込みは増加傾向にあり、農林水産省の動物検疫所門司支所鹿児島空港出張所は今月、宮崎空港でビーグル犬「モモ」(雌、6歳)による検査の様子を公開し、注意喚起した。
検疫犬は2005年の牛海綿状脳症(BSE)の世界的流行などを受け、成田国際空港に導入された。入国者が航空機への預け手荷物を受け取る税関検査場で、食肉や植物などをかぎ分けることで不正な持ち込みを見つけ出す。
九州では13年に福岡空港に初配備。同空港での持ち込みができない不合格件数は12年の845件が、13年は1762件に増えた。宮崎空港では17年25件、18年74件。検疫犬の導入でさらに増加が見込まれる。
今月3日に同空港で、韓国からの便の手荷物を検査する様子が報道陣に公開された。モモが担当者にリードを引かれながら手荷物に鼻先を近づけ、臭いをかぎ分けた。この便での摘発はなかった。渡辺富義所長は「かわいらしい姿から持ち込み抑制の広報効果もある。犬と人が協力して不正を取り締まりたい」と話した。【田崎春菜】