栃木県佐野市は2日、港を核にしたまちづくりの拠点として国が認定する「みなとオアシス」に、通関支援や貨物の保管などを行う内陸港「佐野インランドポート」(同市戸奈良町)などを登録申請したと発表した。申請が認められれば、全国で初めて「水辺がない港」として登録される。
国や市によると、みなとオアシスは2003年度に創設され、これまで横浜港や神戸港など全国131カ所が認定されている。港を核に住民交流や観光振興を図り、地域活性化につなげるのが目的。情報発信や交流のスペース、トイレなどを備え、継続的に運営できることが登録要件となる。
佐野インランドポートは17年11月にオープン。敷地面積は約1・1ヘクタールでコンテナ置き場や倉庫などがある。「陸の港」として外国貨物の保管や通関手続き、荷役などの港湾業務を行っている。
市は同港だけでなく、佐野プレミアムアウトレットや道の駅「どまんなかたぬま」など既存施設を「みなとオアシス」として活用するため、8月に運営協議会を設立。国土交通省に登録を申請した。
「海なし県」の県内では初の申請。国内では青森県十和田市の十和田湖畔にある休屋港が登録されているが、市によると通関施設はないといい、佐野が認定されれば「内陸港」として全国初の認定になるという。市は「港の新たな形態として、全国にアピールしたい」と話している。【太田穣】