神奈川県知事「検閲の思いない」 表現の不自由展で釈明も「慰安婦像」問題視

黒岩祐治神奈川県知事は3日の定例記者会見で、愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が中止になった問題を巡る自身の発言について釈明した。「表現の自由から逸脱している」などと語っていたが、「検閲して自分の気にくわないものを表現させない、という思いは全くない。一番言いたかったのは慰安婦像問題。表現の自由とは関係ない」と述べた。
元従軍慰安婦を象徴した少女像展示を巡り、企画展は開幕直後に中止に追い込まれた。記者からの質問に答えた黒岩知事は「私の親しい人からも批判の声があった。誤解を与えたことに関しては率直におわびしたい」などと釈明した。
黒岩知事は8月27日の定例会見で「慰安婦像は事実を歪曲(わいきょく)したようなメッセージだ」など発言していた。慰安婦問題を巡り、日韓両国の主張は対立している。この日の会見でも「2015年の日韓合意で最終的かつ不可逆的に解決している。(慰安婦像は)合意した話をねじ曲げた政治メッセージ」と指摘。「慰安婦像の展示に県が税金を出すのは県民の理解を得られないだろう。その思いで申し上げた」と述べた。【木下翔太郎】