「韓国なんて要らない」は、本当に「一線を越える」見出しだったか 週刊ポスト「炎上」の背景

「韓国なんて要らない」と題した特集をめぐり「配慮に欠けていた」などと謝罪コメントを発表した週刊ポストは、実は6号連続で韓国に関する特集を組んでいた。
ポスト以外にも、最近は雑誌が韓国に批判的な特集を組むことは珍しくない。では、なぜ今回の特集では批判が殺到したのか。
週刊ポストは、ここ1か月ほど韓国批判の特集を繰り返してきた。2019年8月2日号で
と題した特集を組んだのを皮切りに、8月9日号では
という脇見出しとともに
と題して「韓国の主張」と「日本人が唱えるべき正論」を対比させて列挙。8月16、23日合併号では、
と題して、世界のメディアが日韓関係や韓国についてどう報じているかについて取り上げた。8月30日号では「第4弾」とは明示的にはうたわなかったものの、
とする韓国に批判的な特集を掲載。9月6日号では、
と題した記事が載った。問題になった「韓国なんて要らない」特集が掲載されたは、その翌週の9月13日号だった。
こういった中で、なぜ9月13日号だけ「炎上」したのか。
といぶかしがるのは、「週刊現代」などの編集長を歴任し、J-CASTテレビウォッチで「元木昌彦の深読み週刊誌」を連載する元木昌彦さんだ。
ワイドショーを筆頭に韓国に関する記事や報道があふれる状況に「それ以外に取り上げるべきことがあるのにおかしい」といった違和感が読者や視聴者に広がるなかで、「なぜポストまでそういうことをするのか」といった反発につながったのではないか、という見立てだ。元木さんは、炎上は「タイミング」の問題で、「新潮でも文春でも批判の対象になりえた」とみる。
今回の問題では、
「『10人に1人は治療が必要』――怒りを抑制できない『韓国人という病理』」という見出しが差別的だとする批判が相次いだ。9月2日に週刊ポスト編集部が発表した謝罪コメントでも、
と言及している。この見出しで「一線を越えた」可能性はあるのか。
元木さんは、この見出しについて「ちょっとまずい」ともらす一方、見出しの横には「大韓神経精神医学会」と出典を示してあることなどから、「他と比べてそんなにひどいほどなのか…」とも話す。その上で、今回の問題は過剰反応だとの見方を改めて示した。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)