3大学医学部「不合格」原告女性「絶望大きかった」「再発危惧」 損賠訴訟初弁論 東京地裁

医学部に合格していたのに性別や社会人経験を理由に不正に不合格にされたとして、元受験生の女性が東京医科大、順天堂大、昭和大の3大学に慰謝料を求めた訴訟の第1回口頭弁論が東京地裁(田中秀幸裁判長)で開かれ、3大学側は請求棄却を求めた。原告の女性は「二度と不正が起こらないよう、司法の場で判断してもらいたい」と意見陳述した。
女性は「医師になりたいという思いを胸に、歯を食いしばりながら勉強を続けてきた。不正入試に巻き込まれたと知った時の絶望や怒りはとても大きかった」と振り返った。問題発覚後の大学側からの補償や再発防止策についても「不十分。今後も同じような不正が行われるのではないかと危惧している」と憤った。
訴状によると、女性は2018年度の試験で3大学の医学部を受験したが、不合格とされた。不正入試が明らかになって、東京医大と昭和大から合格通知が届き、順天堂大からは1次試験での不合格が誤りだったと連絡があった。女性は別の医学部に進学したが、不当な女性差別を理由に浪人生活を余儀なくされ、貴重な時間を奪われたなどと主張し、計約3600万円を求めている。【蒔田備憲】