トリエンナーレ妨害、男に有罪=京アニ事件を示唆「悪質」―名古屋地裁

国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」をめぐり、「ガソリン携行缶を持っておじゃまする」などと、従軍慰安婦を象徴する少女像などの撤去を求めるファクスを送ったとして、威力業務妨害罪に問われた愛知県稲沢市の無職堀田修司被告(59)の判決で、名古屋地裁(板津正道裁判長)は14日、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。
板津裁判長は「ガソリンを用いた放火で多数の死傷者が出た(京都アニメーション)事件をほのめかす内容」と指摘。「読んだ人に強い恐怖心を抱かせ悪質だ」と述べた。
判決によると、堀田被告は8月2日、同県一宮市のコンビニから、会場の県美術館に「ガソリン携行缶持って館へおじゃますんで~」などと少女像の撤去を迫るファクスを送信し、業務を妨害した。
ファクスを受け、少女像を含む企画展「表現の不自由展・その後」は長期の中断を余儀なくされた。トリエンナーレの芸術監督を務めた津田大介さんは判決後に記者会見し、「模倣犯を生んでおり社会的影響があった。被告は重く受け止めてほしい」と話した。