富山市でツキノワグマに襲われ男女3人重軽傷 現場付近では15日にも3人が被害に

富山県自然保護課は21日、富山市で男女3人がツキノワグマに襲われ、重軽傷を負ったと発表した。今年の同県内のクマによる人身被害は13件、20人となった。
同日午前10時50分ごろ、富山市中番の自宅の庭で、クマのふんを掃除していた男性(40)がやぶから飛び出してきたクマに引っかかれた。男性は顔を骨折するなどして重傷。近くにいた男性の父親(73)も襲われ、右手などに重傷。約5分後には、さらに隣の民家の玄関前で女性(90)が背後から頭をひっかかれ、軽傷を負った。
現場は富山地方鉄道上滝駅から北西約700メートルの民家が点在する田園地帯。目撃者の情報などからクマは体長約1・2メートルの成獣とみられる。
近くに住む70代の女性は「気が動転していてよく覚えていないが、クマのような黒いものを見た。(女性が)頭から血を流していたので通報した」と動揺した様子だった。
現場に近い同市上滝では15日にも、ラジオ体操帰りの70代の男性3人がクマに襲われ重軽傷を負った。同課は柿の実など、クマの餌になるものの除去を呼びかけるとともに、「クマのふんや爪痕など、痕跡を見つけても近づかず、すぐに市役所や町役場などに連絡することを徹底してほしい」と強調する。【高良駿輔、森野俊】