「うさぎの恩返し」 2万1911個のつるし雛でギネス世界記録 出雲

NPO法人「日本つるし雛(びな)協会」(京都市)のメンバーらがギネス記録を目指して昨年から取り組んできたつるし雛が完成し、出雲大社近くのねがい雛ミュージアム(島根県出雲市大社町杵築南)でお披露目された。「2019年11月」にちなみ2万1911個のウサギなどの小さなぬいぐるみがつるされ、22日、ギネス世界記録に認定された。
つるし雛は江戸時代に庶民が子や孫の健やかな成長を願い、ひな人形代わりに古着をほどいて作ったのが始まりとされる。ギネス認定されたのは高さ9・6メートルで、11重の輪から下がる469本の糸に、えとの動物を中心にカメやトキなどの縁起物108種類がつく。出雲大社にまつられる大国主命(おおくにぬしのみこと)がウサギを助けた「因幡の白兎(うさぎ)」の神話にちなみ「うさぎの恩返し」と名付けられた。
制作には出雲市のボランティア約50人が協力。約8000個は出雲市民が作った。ぬいぐるみは絹の生地を使い、1万個には作り手の願いが込められた紙が入っている。阿無利見紗(あむりみさ)理事長は「ウサギが恩返しするというつるし雛に八百万(やおよろず)の神々が集う出雲は理想の土地」と話す。
同法人は今後、願い事を書いた紙を入れたぬいぐるみを3年以内に1万個作り、新たなギネス世界記録に挑むという。【前田葵】