東京都渋谷区のアパレル会社「GLADHAND」の社長に業務上横領容疑が浮上し、東京地検特捜部が、実行したとみられる同社社員と司法取引を交わしたことが関係者への取材で判明した。合意の成立は3例目とみられる。特捜部は26日、同社本社などを家宅捜索した。
司法取引は昨年6月に導入され、大手発電機器メーカー「三菱日立パワーシステムズ(MHPS)」による外国公務員への贈賄事件と、日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告(65)の事件で適用されたことが明らかになっている。特捜部は今回、GLADHAND社員との間で関連の証拠を提出する代わりに、この社員についての起訴を見送る内容で合意しているとみられる。
関係者によると、社長は売り上げの一部を金庫に保管し、私的に流用していた疑いがあるという。特捜部は今後押収資料の分析や関係者の聴取を進めるとみられる。
同社は2005年設立。男性向け衣料品の製造販売などを手がけ、商品は若者らに人気がある。ホームページに「役員らによる業務上横領の容疑で強制捜査を受けた」としたうえで、「事態を厳粛に受け止め、事案の真相解明のため、引き続き当局の捜査に全面的に協力する」とのコメントを出した。【遠山和宏、金寿英、志村一也】