イラク戦争で2006年、航空自衛隊小牧基地(愛知県小牧市)からクウェートに派遣された元自衛隊員の池田頼将さん(47)=名古屋市=が現地の基地で車にはねられ負傷したのに十分な治療を受けられず、早期帰国も認められなかったとして計約1億2300万円の損害賠償を国に求めた訴訟で、名古屋地裁(前田郁勝裁判長)は26日、請求を棄却した。池田さんは控訴する方針。
池田さんは通信士として06年4月、クウェートの米軍基地に着任。同7月、基地内で開かれたマラソン大会に参加した際、米軍事会社の大型バスに背後からはねられ、顎(あご)や肩を負傷した。
池田さんは国の安全配慮義務違反や治療の遅れ、帰国後の隊員によるパワハラなどを主張したが、判決は「大会は米軍主催で参加を要請しておらず公務に準じない」と国の安全配慮義務違反を否定。治療についても「(現地で)適切に行われ、直ちに帰国させなければならない状態ではなかった」とした。パワハラの訴えも退けた。
判決後、記者会見した池田さんは「納得できない。二度と僕のような犠牲者を出してほしくない」と話した。航空幕僚監部は「裁判所の理解が得られた」とコメントした。【川瀬慎一朗】