厚生労働省は、働いて一定の収入のある高齢者の年金を減らす「在職老齢年金制度」について、65歳以上の減額基準額を現行の月47万円のまま維持する方向で最終調整に入った。60~64歳は、65歳以上にそろえ、現行の月28万円から47万円に引き上げる方向だ。
関係者が26日明らかにした。厚労省は与党内の議論を踏まえて年内に正式決定し、来年の通常国会に関連法案を提出する。
在職老齢年金は、賃金と年金の合計月額が基準額を超えた場合、年金が減額される制度。高齢者の働く意欲を阻害するとの指摘があり、政府が見直しの方針を掲げていた。
65歳以上の基準額について、厚労省は当初、62万円に引き上げる案を検討したが、与党内から「金持ち優遇との批判を招きかねない」と懸念する声が上がり、再検討に着手した。65歳以上の基準額を引き上げれば、比較的収入の高い層の年金額が増える一方、年金財政が圧迫されて、将来の年金水準が低下するためだ。
いったんは平均的な現役世代の賃金と年金(報酬比例部分のみ)の合計月額を基に51万円とする案に修正したが、批判が収まらず、再修正を迫られていた。