茂木敏充氏は対韓強硬派? 内閣改造で外相起用が有力視 前横浜市長・中田宏氏が語る人物像

安倍晋三首相が11日に行う内閣改造で、茂木敏充経済再生相の外相起用が有力視されている。これを、文在寅(ムン・ジェイン)大統領率いる韓国が身構えているようだ。「対韓強硬派だから」という理由のようだが、本当にそうなのか。日本新党時代から茂木氏を見てきた、前横浜市長の中田宏氏に聞いた。
《茂木氏も韓国に強硬な態度をとる可能性が高いのが、大半の意見だ。ある外交筋は「非常に頭が良く、決断が早い。外相になれば、韓国政府への強硬な姿勢はむしろ強まる」と予想した》
中央日報(日本語版)は2日、「麻生氏・岸田氏…安倍新内閣、韓国に声強める」というタイトルの記事で、茂木氏をこう評した。
茂木氏は、東大卒業後、丸紅や読売新聞社などを経て、93年の衆院選で日本新党から初当選し、自民党に移った。経産相や党政調会長、選対委員長などを歴任し、当選9回。今年4月から、ロバート・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表らと、日米の新たな貿易協定の締結に向けて厳しい交渉を重ね、8月の日米首脳会談での大筋合意に導いた。
衆院当選同期という中田氏は「茂木氏は、頭の回転が極めて早く、機関銃のように言葉が出てくる。自分自身の理屈を持っており、交渉ごとでは常に粘り腰だ。英語でも感情に富んだ表現ができる。かつて、ハーバード大学大学院で学んだ経験も含め、外交は本人もやりたくて得意とする分野だろう。国際派の茂木氏が首相を目指すうえで、踏んでおきたいステップのはずだ」と語った。
安倍政権は、国会議長による「天皇陛下(現上皇さま)への謝罪要求」や、いわゆる「元徴用工」をめぐる異常判決、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄決定など、暴挙を繰り返す韓国に対し、毅然(きぜん)とした姿勢を貫いてきた。
実は、茂木氏は韓国議員団の表敬訪問を受けるなど、隣国とのパイプもある。韓国紙が報じたように、茂木氏は「対韓強硬派」なのか?
中田氏は「日本政府は『ボールは韓国側にある』として、原理・原則通りに対応している。茂木氏が外相になれば、硬軟織り交ぜ、タフな対応をするはず。日韓関係が戦後最悪といわれるからこそ、タフ・ネゴシエーター(手ごわい交渉相手)である茂木氏の起用は、実にいい人選だ」と期待を寄せている。