ゴルフ練習場のネットが民家直撃「妹が挟まれた」 台風15号強風で

千葉県市原市では、ゴルフ練習場のネットを張った支柱が約140メートルにわたって倒れ、隣接する民家を直撃した。「妹が挟まれている」。市原市消防局によると、9日午前4時25分ごろ、民家に住む女性から通報があった。破壊された家にいた20代の女性は約1時間後に救出されたが、胸や腹を挟まれ重傷を負った。2階建て住宅の屋根が壊れた細野実さん(62)は「1階に寝ていたら聞いたことがないような大きな音で目が覚めた。2階にいた妻と息子は抜け出して無事だったが、恐ろしかった」と声を震わせた。
市原市役所の第2庁舎では窓ガラスなど計19枚が割れた。けが人はなかった。
千葉県館山市では、ガソリンスタンドの屋根が給油機を押し潰すようにして崩落した。裏手に住む主婦(52)は「夜中にものすごい風の音がして眠れなかった。停電で情報が入ってこない」と不安そうな表情を浮かべた。
最大瞬間風速49・0メートルを記録した千葉県木更津市の男性(82)は10畳ほどの大きさがあるトタン屋根が飛ばされたという。「朝起きたら屋根がなかった。約30メートル離れた隣家の駐車場に車を覆うように落下していた」と驚いた様子で話した。
千葉市中央区のJR東千葉駅では強風によって駅舎の屋根が約10メートルにわたってめくれ上がり、架線に折れ曲がった状態で引っかかった。
神奈川県三浦市南下浦町上宮田では、海岸沿いにある海の家が強風で倒壊し、屋根の一部が吹き飛んで国道134号の一部をふさいだ。横浜市旭区の相模鉄道線鶴ケ峰駅―二俣川駅間では、沿線の工事現場の仮設外壁が強風で崩れ、架線を切断したため相鉄線は一部区間で運休した。
横浜港周辺でも強風の影響でコンテナが崩れるなどした。大黒ふ頭付近では、大型の浮きドックが漂流し大黒大橋に接触した。【加藤昌平、中島章隆、上遠野健一、池田直】