和歌山県警白浜署は9日、自殺しようとした客を同署に送り届けて自殺を防いだ明光タクシー運転手、崎口広治さん(65)に感謝状を贈った。
崎口さんは8月24日午後7時10分頃、白浜町のJR白浜駅前で大阪府の30歳代の女性客を乗せた。客は、60メートルの断崖で知られる名所「三段壁」に行ってほしいと告げたが、既に暗くなり始めていたために、崎口さんは「観光ではない。自殺では」と直感。近くの交番に向かったが、留守だったため、同署に連れて行った。女性客は素直に降り、自殺しようとしたことを認めた。
高砂和彦署長から感謝状を受け取った崎口さんは「自殺を食い止めたのは初めて。車内で宿泊先を尋ねても答えず、荷物も小さなバッグ一つだけだったので、ピンと来た」と話していた。