千葉、神奈川、茨城、静岡で停電60万戸 千葉で8万9000戸断水 台風15号

台風15号が縦断した関東地方では、10日も千葉県などで停電や断水、交通機関の乱れなどが続き、住民らは復旧を待ち続けた。
東京電力は10日、千葉を中心に神奈川、茨城、静岡、東京の計1都4県で60万戸を超える停電が続いていると発表した。千葉県君津市で送電線の鉄塔が倒壊するなどしたため、復旧に時間がかかっている。東電によると、10日中に少なくとも33万戸は停電が解消する見込みだが、残る29万戸は11日以降になる見通しだという。
千葉県内は停電の影響で、中部地域などで浄水場からの送水が停止した。県によると午前0時時点で少なくとも約8万9000戸で断水が続いた。自治体などでつくる水道事業者は給水所を設けるなど対応に追われ、森田健作知事は午前4時に自衛隊に災害派遣を要請した。
交通機関の乱れも続いた。JR東日本は10日も成田線や内房線、外房線の一部で終日運転を取りやめると発表。横須賀線は故障した送電設備を復旧する作業が続き、一部区間を運休したり、運行本数を減らしたりして対応した。
一方、南から暖かい空気が流れ込んだ影響で、気温は午前中から上昇した。午前11時現在の各地の最高気温は愛知県岡崎市で35・0度、同県大府市で34・8度、千葉県鴨川市と神奈川県海老名市で34・6度など。気象庁は関東地方などに高温注意情報を出し、熱中症などに警戒を呼びかけた。【川村咲平】