アフガニスタン東部で銃撃され亡くなった中村哲さん(73)が現地代表を務めていた福岡市のNGO「ペシャワール会」は12日、現地スタッフを交えた会議を開き、一時休止状態の現地事業を再開する方針を決めた。また中村さんの遺骨を分骨し、生涯を懸けて復興に尽くしたアフガニスタンの地に埋葬すると明らかにした。
村上優(まさる)会長(70)と現地事業に携わるジア・ウルラフマン医師(64)らが記者会見で説明した。現地事業は、用水路建設などの土木分野▽医療分野▽農業分野に分かれている。中村さんの死去を受け農業の一部を除き休止状態だが、今後州政府などによる安全確保のめどが立ち次第、再開することにした。ジア医師は「我々は先生の哲学や考えを学んだ中村学校の生徒。先生のプロジェクトが継続することを望んでいる。先生の魂は永遠に私たちと一緒にある」と力を込めた。
中村さんが務めていた現地の事業主体「平和医療団・日本」(PMS)の総院長には村上会長が就き、年内にもアフガニスタンか近隣国を訪れ現地スタッフと面会する。ただ常駐の日本人スタッフはいなくなるため日本側からの支援を強化する。
ジア医師によると、中村さんは約1年前、ガンベリー砂漠に近い用水路のある記念公園を訪れた際、「死んだらここに埋めてほしい」と話していた。11日の葬儀で遺族の同意を得られ、遺骨の一部を埋葬することにした。遺族からは香典の寄付も受けており、亡くなったドライバーやガードマンの見舞金に充てるという。【石井尚】