特定危険指定暴力団「工藤会」(北九州市)が関与したとされる元福岡県警警部銃撃事件の被害者側が、同会トップの野村悟(73)とナンバー2の田上不美夫(ふみお、63)の両被告らに約2960万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁(西井和徒裁判長)は13日、約1620万円の支払いを命じた1審・福岡地裁判決(今年4月)を支持し、被告らの控訴を棄却した。
控訴審では和解協議が開かれたが折り合わなかった。一連の一般人襲撃事件で工藤会トップらに賠償を命じた初の高裁判決で、弱体化が進む工藤会にとっては更なる経済的打撃となりそうだ。
元警部銃撃事件は2012年4月に北九州市小倉南区で起きた。実行役とされた組幹部の判決では、野村被告の指揮命令を認定した実刑判決が確定。1審判決も野村被告らの指示に基づく犯行だと認め共同不法行為にあたるとしており、西井裁判長もこれらの判断を妥当と結論付けた。
一般人襲撃事件を巡っては、歯科医師刺傷事件(14年)の被害者側も野村被告らに損害賠償を求めて提訴し、福岡地裁は今年4月、野村被告らに4820万円の支払いを命じたが被告らが控訴。高裁で和解協議が継続しており、合意に至らない場合の判決日は、来年3月18日に指定されている。また、元漁協組合長射殺事件(1998年)の遺族も7800万円の賠償を求め、損害賠償命令制度に基づく申し立てを同地裁にしている。
野村、田上両被告はこれら3事件を含め、一般人襲撃4事件に関与したとして殺人罪などに問われ福岡地裁で公判中だが、ともに無罪を主張している。