埼玉県所沢市教育委員会は13日、市立中学1年の男子生徒(当時13歳)が2017年7月に鉄道自殺した事案について、いじめなど複数の要因により男子生徒が追い詰められたとする第三者委員会の調査報告書を公表した。
男子生徒は同年7月10日午前7時半ごろ、同市久米の西武池袋線の踏切内に立ち入り、電車にはねられ死亡した。第三者委は同年12月から原因などを調査して昨年7月に報告書がまとまった後、教委と遺族側が公表範囲などを協議していた。
報告書によると、男子生徒は入学後、複数の侮蔑的なあだ名で呼ばれるようになり、学用品を壊されるなどのいじめを受けた。また男子生徒が担任教諭から提出物の遅れについて再三指導を受けたことや、部活動をやめたがっていた点などから「複数の領域で自信を失い、追い詰められていった」と結論づけた。
報告書は、担任だけではなく学校全体で、生徒の内面を把握しながら指導する体制が「十分ではなかった」とも指摘した。
調査報告書は市のホームページで公表されている。男子生徒の遺族は「息子にとって学校生活が息苦しいものだったと初めて分かり、悔やんでも悔やみきれない。報告書を公表することで学校が抱える問題点を多くの方に共有していただきたい」とするコメントを出した。【清藤天】