青森県弘前市は13日、市職員約2700人分の氏名や住所、月給額、最終学歴などが記された個人情報が流出した疑いがあると発表した。市や県内の地元紙に匿名のメールでデータが届いたといい、同市は関係者による内部流出と外部からの不正アクセスの両面で調査している。
市によると、流出したとみられるのは、市長部局や市教育委員会、市立病院などの職員2083人分と非常勤職員664人分の個人情報で、市職員のほぼ全員分にあたる。約70項目にわたる2017年度のデータとみられ、データ閲覧に必要なパスワードを知る市人事課の職員約20人が管理していた。
市には11月18日以降、個人情報の流出を示唆するメールが計5回届いた。今月2日に届いたメールには一部職員の個人情報も記載されていたため、市は内部調査を進めていた。
メールの差出人はいずれも匿名で「職員の個人情報のファイルが流出しています。マスコミにも情報提供を考えています」などと書かれていた。市がメールアドレスやメールに記載された電話番号に問い合わせたが、いずれも返信はなかったという。
12日午後には地元紙がインターネット上で公開しているメールアドレス宛てに「弘前市役所職員のデータリストが流出しています」との文章と一緒に、個人情報が送られてきた。
同市の桜田宏市長は「内部から流出したのであれば、調べれば分かる。それでも難しければ、警察にも協力をお願いしなければならない」と話した。【藤田晴雄、井川加菜美】