かんぽ生命保険の不正販売問題で、金融庁は16日、かんぽ生命と日本郵便に対し、保険の新規募集を一時停止するなどの一部業務停止命令を出す方向で調整に入った。立ち入り検査の結果、顧客に不利益を与えた可能性があると両社が位置づける約18万3000件の「特定事案」以外にも不正な契約が見つかり、顧客保護のためには厳しい対応が不可欠と判断した。27日にも発表する。
立ち入り検査では、虚偽の説明によって保険料の二重払いなど顧客に不利益となる保険契約を結ばせる事態が横行していたことが判明。さらに不正契約は、両社が不正の疑いがあるとみて重点的に調べている特定事案以外でも確認された。実際の不正契約は両社の想定外の範囲に及んでいる可能性がある。
金融庁は不正販売の背景に過剰なノルマや顧客軽視の企業風土があると分析。顧客に不利益となる不審な契約を上層部がチェックできなかったり、現場で起きている問題が上層部に伝わらなかったりする組織体制にも問題があるとみている。問題が改善されなければ今後も消費者に不利益な契約が結ばれる恐れがあるとみて、行政処分として重い一部業務停止命令に踏み切る方向で調整に入った。
両社の経営を監督する立場の日本郵政についても、昨年4月のNHK番組などで不正販売問題を知っていたにもかかわらず対応を怠ったとして業務改善命令を出す方向。持ち株会社のため業務停止命令は出せないが厳しく経営責任を問う。【古屋敷尚子】