柴山昌彦前文部科学相が、高校で昼食の時間に政治の話をしたというツイッターの投稿に対し、「こうした行為は適切でしょうか?」などと書き込んだことが物議を醸している。柴山氏は記者会見で、18歳の高校生と高校教諭を名乗る人物との投稿への言及で、政治談議を規制したのではないと説明している。
柴山氏によると、今月6日、大学入学共通テストで活用される英語の民間資格・検定試験に関する内容を投稿。これを受け、教諭が次の選挙で安倍政権に投票しないよう周囲の高校生に宣伝するよう求め、高校生は「私の通う高校では前回の参院選の際も昼食の時間に政治の話をしていたのできちんと自分で考えて投票してくれると信じている」などと応じた。
教諭は、政権に嫌悪感を持つよう自分の学校の生徒を洗脳するという趣旨も記したといい、柴山氏は会見で、公選法に反する行為を誘発する恐れがあると指摘。「問題提起であり、高校生の政治談議を規制することを決して企図していない」と話した。
元自治省選挙部長で公選法に詳しい片木淳弁護士は「教諭らの投稿は特定の選挙で候補者の当選を目的とする選挙運動の定義に該当せず、公選法違反に当たらない。主権者教育の推進に責任を持つ文科相ならば、自由に議論させるべきだ」と話している。