農林水産省は20日、豚コレラ(CSF)の感染拡大防止に向け、発生した12県に限っていた豚へのワクチン接種について、未発生の8都府県にも拡大する方針を決めた。豚コレラ対策の有識者会議で了承された。発生地域に隣接する地域から接種を認めるよう強い要望があり、農水省が検討を進めていた。
8都府県で接種が始まる時期は、早ければ今月中が新潟、神奈川、東京、京都、奈良。来年2月以降が栃木、茨城、千葉。8都府県の飼育頭数は、計約175万頭(2月現在)に達する。
豚や野生イノシシで感染が確認された岐阜や愛知など12県では、10月から接種が実施されてきた。豚コレラは野生イノシシを媒介に感染が拡大しているとみられ、未発生の地域からもワクチン接種の要望が出ていた。
ワクチンの備蓄量に限りがあるため、農水省は接種する対象を感染した豚などが見つかった地域に限定していた。月内に新たに250万頭分のワクチンを確保できる見通しになり、接種の範囲を広げる方針を決めた。
一方、農水省は20日、豚コレラ対策として野生イノシシ向けのワクチンを含んだ餌を、栃木県内の国有林で自衛隊のヘリコプターから散布した。本格的な実施は初めてで、日光市の国有林に約2500個を散布した。【神崎修一】