唯一無二の9店舗「町に活気を」思い一つに 岩手・大槌駅前に屋台村オープン

東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県大槌町中心部の駅前に22日、飲食店街「三陸屋台村おおつち○○(まるまる)横丁」がオープンした。町で最もにぎわった末広商店街にあった名店や、今年度閉鎖する仮設商店街で営業を続けた飲食店など9店舗が入る。台風被害で運休している三陸鉄道の来春再開を見据え、町のにぎわいと交流の拠点になることを目指す。
同町で給食事業を展開する甘輝舎(かんきしゃ)が町有地約1500平方メートルを借り、約1億円を投じて木造平屋の2棟を整備した。「○○横丁」という名称は、店主や来客者それぞれの思いを自由に込めてもらおうと決めた。中央通路では、ビアガーデンやパブリックビューイングも催す。
「七福食堂」は、津波の犠牲になった妹が約40年守り続けた秘伝のタレで焼き鳥などを提供。「食道園」は、今夏病死した店主の自家製タレで焼き肉定食やキムチが楽しめる。「スナック安」は、前浜でとれたての魚が評判だった居酒屋・みかどんが業態変更した。
1964年創業の「ジャズ喫茶 クイン」は娘が店を継いだ。「ばぁばキッチン」は司会業で町民に親しまれる女性が手作りピザと洋食を提供する。ランチタイムのほか、三鉄終電後の午前0時まで営業する店もある。自動車整備工場などを手がけ、津波で父と会社を失った経験を持つ甘輝舎の倉本栄一会長(66)は「それぞれが唯一無二の魅力を持った9店舗。オンリーワンの輝きを発信したい」と語った。【中尾卓英】