“あおり運転”宮崎文夫、新たな被害者が告白「車で連れ回された後、突然暴行された」

「自分の思い通りにならなかったためか、いきなり火がついたように怒り出した。殴る蹴るの暴行のうえ、後ろから引き倒され、踏みつけられたのです」(宮崎の仕事仲間)
2019年8月10日、常磐自動車道で乗用車を執拗にあおった挙句、運転席に座る若いドライバーを殴った事件。逮捕された会社役員の宮崎文夫容疑者(44)には、別の暴行事件の“容疑”がかけられていた。
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“あおり運転”事件の顛末を担当記者が解説する。
「9月25日から水戸地検により宮崎容疑者の刑事責任能力の有無を調べる鑑定留置が行われ、12月23日に満期を迎えました。宮崎は、昨年3月に京都でタクシー運転手の監禁事件を起こし逮捕されていますが、このときは保護観察処分となっています。しかし今回は責任能力ありと判断された。近く起訴されると見られています。(※12月27日、水戸地検に強要と傷害の罪で起訴された)」
自宅マンションは差し押さえ
逮捕から約4カ月。この間、宮崎が大阪市に所有する7階建ての自宅マンションは税務署、クレジットカード会社など、複数の債権者によって差し押さえられていた。
11月には個人債権者の申し立てにより、マンションの競売が始まっていた。この債権者が明かす。
「私が持っているのは損害賠償債権です。彼自身は年収が8000万円あり、資産も数億円あると豪語していましたが、このマンションの他、競売にかけられる資産が見当たらなかった」
仕事仲間に突然殴りかかった宮崎
一方で、宮崎は、別の“暴行事件”を起こしていた。被害者で、宮崎の仕事仲間だった男性が語る。
「去年8月、私の職場をふらっと訪れた宮崎から『飯でも食いませんか』と誘われたのです。真夏にもかかわらず全身黒尽くめのスーツにサングラス姿。車で連れ回された後、彼の事務所で片付けの手伝いをさせられた。そこで私が彼の指示通りに動かなかったことで、突然、激昂し、殴りかかってきた。この件は、警察にも相談しています」
宮崎は別人のように振る舞うこともあるという。
「商談に同席したことがありますが、そのときは普通に対応するんです。何を考えているか、全く読めない。別の仕事仲間は『ヤクザだ』といって、彼と縁を切っています」(同前)
“ガラケー女”は「あちゃー」と下を向いた
その宮崎と行動を共にしていた“ガラケー女”A子(51)は犯人隠避容疑で逮捕されたが、9月に罰金30万円を納め、釈放されていた。
面会した友人が語る。
「落ち込んでいる様子はなかった。私が『高速道路で車を停めたら殺人にも繋がるんだよ』と諭すと、小声で『それは取り調べでも言われた』と。宮崎について『カレが、カレが』と親しげな口ぶりだったけど、現在、2人がどうなったかは分かりません。あれだけ世間を騒がせていたのに、彼女は新聞の見出しぐらいしか目にしていなかったようでした。『世間で大騒動になっているよ』と告げても、『あちゃー』と下を向くだけでした」
釈放後は、身元引受人の知人が手配した神奈川県内の物件に身を寄せていたという。その身元引受人にA子への取材を申し込んだが、
「取材は断るように本人から言われている。生活がありますから、もちろん仕事はしています」
2人からは未だに反省の言葉は聞こえてこない。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年1月2・9日号)