競争率408倍、シングルマザーも採用試験合格…氷河期世代4人に市が辞令

「就職氷河期世代」を対象にした兵庫県宝塚市の職員採用試験に合格した40~45歳の男女4人への辞令交付式が6日、市役所であった。中川智子市長から辞令を受け取った男性は「ようやく、じっくりと働ける場所ができた」と喜びと抱負を語った。
試験は、市が昨秋、バブル崩壊の影響で就職難だった30歳代半ばから40歳代半ばの人を対象に実施。定員3人に対して1635人が受験し、離婚して2人の子どもを育てる女性(45)や国の出先機関の非正規職員だった男性(45)ら4人が合格した。競争率は408倍だった。
辞令交付式で、中川市長は「これまでの苦労を生かして市民に寄り添う行政マンになって、定年まで勤め上げてほしい」と激励。大学院を卒業し、五つの職場を転々とした吉川朋さん(41)は市民税課に配属となり、「しんどい思いをしてきた分、市が明るく元気になるよう、働きたい」と意欲を見せた。
氷河期世代対象の自治体職員採用は、神戸市や兵庫、和歌山両県などにも広がっており、国でも昨年12月、厚生労働省が10人の募集を始めている。