町で初めて、男性職員が育休を取得した 子育て中の町長も後押し

新潟県津南町職員の小島裕輔さん(35)が、町の男性職員として初めて育児休暇を取得した。妻で小学校教諭の有美さん(37)とともに、わが子の成長を優しく見守っている。
2人は2015年8月に結婚。昨年12月2日、待望の第1子となる長男が誕生した。「願いが叶(かな)って生まれてきてくれた。周りを笑顔にするようになってほしい」と願いを込め、叶葵(とあ)ちゃんと命名した。直後の4日から1カ月、育児休暇を取得。一番大変で大切な時に、家族で一緒に過ごしたいと思ったからだ。
裕輔さんは、以前から育児休暇を取得したいと考えていたという。在籍する町福祉保健課の上司や同僚に相談したところ、背中を押してくれた。2児の母親で子育てまっただ中の桑原悠(はるか)町長も「男性職員で初めての育児休暇取得で、自分の家族を大切にする素晴らしいことだ。その経験を生かし、仕事に力を注いでほしい」と後押しを約束した。
裕輔さんは、有美さんの実家がある上越市内で生活し、入浴や着替え、ミルクなどの子育てを続けてきた。真夜中になることもよくあるが、苦にはならない様子。胸に抱くとずっしりと重くなっていき、わが子の成長を感じるという。有美さんは「何でもやってくれるのでうれしい。近くにいてくれるのが一番ありがたい」と感謝。裕輔さんは「今でないとできない経験。笑顔や寝顔を見ている時に幸せを感じる」と話した。毎日、成長の記録を書き続け「後に続く人たちの参考になれば」と思っている。【板鼻幸雄】