河野防衛相、中東への海自派遣命令…日本船の安全確保へ情報収集強化

河野防衛相は10日、防衛省・自衛隊幹部らによる「防衛会議」を開き、海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」とP3C哨戒機2機に、中東海域への派遣命令を出した。防衛省設置法4条の「調査・研究」の規定に基づき、オマーン湾などで情報収集活動にあたる。中東情勢が緊迫する中、シーレーン(海上交通路)での日本関係船舶の安全を確保する狙いがある。
派遣する部隊は260人規模で、オマーン湾、アラビア海北部、バブルマンデブ海峡東側のアデン湾の3海域の公海が活動海域となる。イランの領海を含むホルムズ海峡は含まれない。
哨戒機2機は11日に海自那覇航空基地(沖縄県)を出発し、20日から現地で活動を開始する。ヘリコプターを搭載する「たかなみ」は2月2日に海自横須賀基地(神奈川県)を出航し、同月下旬から活動を開始する予定だ。派遣期間は12月26日までで、延長する場合は閣議決定を再度行うことが必要になる。
中東では、イランが在イラク米軍基地を攻撃するなど、緊張が高まっているが、海自の活動範囲は攻撃があったイラク内陸部から離れており、政府は派遣可能だと判断した。
河野氏は記者会見で、日本の原油輸入量の約9割がこれらの海域を通過していることを指摘した上で、「緊張が高まっているからこそ、日本関係船舶の航行の安全に必要な情報収集活動を強化していかなければならない」と述べ、派遣の意義を強調した。
現地で収集した情報は政府が集約し、国土交通省を通じて日本関係船舶の運営会社などに提供するほか、バーレーンの米中央海軍司令部に自衛隊の連絡員を派遣して、米国と個別に情報共有する。
日本関係船舶が攻撃を受けるなど不測の事態が生じた場合は、自衛隊法82条の海上警備行動に切り替える。武器を使用して防護するのは日本籍船に限定し、日本人や日本の積み荷を運ぶ外国籍船が攻撃を受けた際は、攻撃主体に大音量で警告するなど限定的な対処にとどめる方針だ。
現在、P3C哨戒機2機がアフリカ東部のジブチを拠点に海賊対処にあたっているが、今月11日に出発する哨戒機2機がジブチで入れ替わり、海賊対処活動も兼務する。