「3日間うちわ1本」バス冷房で一息 停電の千葉・山武市で

台風15号に伴う停電が続く千葉県。避難所では12日も845人(午後4時現在)が身を寄せている。避難所生活も、もう4日。「早く家に帰りたい」。避難者たちは疲れ切った表情を浮かべた。【加藤昌平、秋丸生帆】
約1万4000戸が停電した同県山武市に同日、大型バスの休憩所が開設された。市有施設の大半が停電しており、冷房の利いたバス車内で市民らは一息ついていた。
勝浦市の運送会社が、勝浦いすみ青年会議所の支援活動として、山武市さんぶの森交流センターに、53人乗りの観光バス1台を駐車した。エンジンをかけたままの車内には、座席ごとにUSBポートがあり、座席で仮眠しながら携帯電話の充電もできる。朝から昼過ぎまで約100人が利用した。
同会議所の加藤宗一郎理事長(40)は「熱中症対策としても住民同士が触れあえる場所としても活用してほしい」と話し、13日も要望のある地域で開設する。
近くに住む無職の※(ところ)博久さん(75)は「市の施設では涼もうにも電気が来てないし、3日間うちわ1本で過ごしてきた。バスの車内は快適だ。でも夜の暗い自宅は寂しく、早く電気が来てほしい」と願っていた。【金沢衛】
※山かんむりに「翁」