奔放な生き方で知られ「紀州のドン・ファン」とも呼ばれた和歌山県田辺市、会社経営者野崎幸助さん(昨年5月、77歳で死去)の遺産について、田辺市は13日、死後に見つかった「全財産を田辺市に寄付する」との文書に法的効力があると判断し、寄付として受け入れる方針を明らかにした。
手続き費用を含む一般会計補正予算案も発表した。
県警によると、野崎さんは昨年5月24日、田辺市の自宅で死んでいるのを妻が発見。血液などから致死量を超える覚醒剤成分が見つかり、県警が殺人容疑で捜査している。
野崎さんの死後に、財産を市に寄付すると書かれた遺言書とされる文書が見つかり、日付や押印などもあり、市が文書の有効性や遺産などを調査していた。酒類販売や貸金業を営んでいた野崎さんの遺産は少なくとも約13億2000万円にのぼるという。
民法などの規定では、遺言が有効であっても、野崎さんの妻に遺産の一部を相続する権利があり、市は今後、妻側とも協議する方針。