災害援護金20億円返済めど立たず

阪神大震災では、災害援護資金約1326億円が被災者に貸し付けられたが、現在も約20億円(約1700世帯)の返済のめどが立っていない。返済が免除される対象は拡大しているが、借り手の高齢化で完済が困難なケースも多いとみられ、自治体は難しい対応を迫られている。
災害援護資金制度は、住居が全半壊したり、世帯主が負傷したりした被災世帯に、市町村が最大350万円を貸し付ける仕組み。財源は国や都道府県、政令市から拠出される。
阪神大震災当時は、全壊世帯などに最大300万円を給付する被災者生活再建支援制度がなく、同資金が頼りだった。兵庫、大阪両府県内の23市(当時は32市町)の計5万7448世帯が貸し付けを受けた。
返済期限は10年だったが返済は滞りがちで、国は期限を4度延長した。返済が免除される条件は、借り手が死亡するか重度障害になった場合のみだったが、15年に破産世帯や生活保護世帯にも拡大された。
昨年8月には、年間所得150万円未満で預貯金20万円以下の低所得世帯の返済免除も決まった。同9月末に未返済だった約53億円(3729世帯)のうち、神戸市を含む兵庫県内11市では計約31億円が新たに免除対象となる見込みだ。
返済が残るのは、少額ずつしか返済できない世帯が大半で、回収の事務は自治体の負担にもなっている。