阪神大震災の発生から25年の節目を迎えた17日早朝、神戸市中央区の東遊園地で開かれた「1・17のつどい」には、前年を大きく上回る数の参列者が訪れた。発生時刻の午前5時46分には会場の照明が落とされ、静寂の中、それぞれの思いを胸に祈りをささげた。
神戸市兵庫区の三川三代子さん(83)は震災で自宅が全壊し、娘の多永子さん(当時32歳)を亡くした。1月17日には毎年、東遊園地に来ているが、今年は「25年の節目だから」と、初めて発生時刻に訪れた。仏壇には多永子さんが身につけていた腕時計を供え、電池を交換しながらずっと動かしてきた。「(震災は)ついこの間のことのよう。今もいろいろ思い出す」。銘板に刻まれた娘の名前を、じっと見つめた。
同市灘区の萩野芙美子さん(74)は、孫の丸尾武史ちゃん(当時1歳)を失った。「何年たっても納得できない。すぐに涙が出る。心の整理ができない」。そんな思いから、孫の写真を手に25年間欠かさず「つどい」に参加してきた。「ポチャポチャしてかわいかった」。声を詰まらせながら、節目の今年は好物のミカンを2個、銘板のそばに供えた。
兵庫県明石市の特別支援学校教員、福井卓さん(28)は自宅が半壊し、数年間、親類の家に身を寄せた。発生時はまだ幼かったため記憶は薄く、子どもたちにどう震災を伝えるか、難しさを感じているという。4月に横浜に転勤するため、この日初めて「つどい」に参列した。「言葉にできないが、竹灯籠(とうろう)の灯の温かさがとても印象的だった。今日見て感じたことを含めて、震災について教師として伝えていきたい」と目を潤ませた。【郡悠介、益川量平、隈元悠太】