「救急車もう限界」 適正利用呼びかけ 「酒飲んで運転できない」で通報も 福岡・飯塚地区消防本部

福岡県の飯塚地区消防本部(藤川啓司消防長)は、救急車の適正利用を呼びかけるポスター(A2判)を作った。1000部を管内の公共施設や事業所などに配布する。
同本部の年間救急出動件数は昨年、9969件と最多記録を更新した。1989年の5154件から約30年でほぼ倍増し、2003年以降は9000件台が続く。人口減にもかかわらず救急出動が増えたのは、高齢化の影響もあるとみられる。
中には緊急性の低い救急要請があるのも事実で「酒を飲んでいて運転できないから」と救急車を呼んだ例もあったという。緊急性の高い傷病者の搬送に支障が出るおそれもあることから、昨年12月に続き、ポスターで救急車の適正利用を呼びかけることにした。
6月から3消防署・分署の代表者でつくるポスター委員会で議論し、デザインを募集。飯塚消防署の野上大樹さん(32)の案が採用された。赤地に白で「救急車 もう限界です…」の文字。救急車を呼ぶか迷った際の相談ダイヤル「♯7119」(年中無休、24時間対応)も紹介した。
野上さんは「1分1秒が市民の命に関わる場合もある。不必要な救急要請がなくなればという思いを込めた」と話した。【平山千里】