「感染の危険と隣り合わせ」バス、タクシー業界悲痛 東京都、マスク15万枚提供

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、東京都内のバスやタクシーの業界団体は17日、都庁で小池百合子知事と面会し、マスクや消毒液の確保と観光客離れなど風評被害の拡大防止などを求めた。【森健太郎】
東京バス協会の山口哲生会長は「バスは感染の危険と背中合わせにある。長期化すれば(備蓄している)マスクや消毒液が底をつきそうだ」と語り、公共交通機関への優先的な提供を求めた。春の修学旅行シーズンを前に、東京が敬遠されないよう風評被害の対策をすることも求めた。
都内の運転手約1万1700人が加入し、感染者も出た都個人タクシー協会の秋田隆会長は「お客さんにうつすことも、うつされることもできない」と困惑しつつ、「感染経路が分からないと、お客さんも安心して乗れないのではないかと心配している」と話した。
一方、東京ハイヤー・タクシー協会の川鍋一朗会長は「今のところ経済的な打撃は顕著に見られず、現場は冷静に対応できている」とした上で、乗車後の換気を徹底していることや、運転手らの体調管理のための体温計の入手が困難になってきていることを報告した。
小池知事は「乗る方も、乗せる方も守れるような体制をつくりたい」と応じ、運転手に体調不良が生じた場合などに電話相談センターを利用することを勧めた。都は要望を受け3団体に、マスク計約15万枚を提供することを決めた。