大津園児死傷 裁判所を激怒させた53歳ストーカー女の身勝手さ

反省したそぶりは最後まで見られなかった。

滋賀県大津市の交差点で昨年5月、車2台が衝突し、保育園児ら16人が死傷した事故。大津地裁は17日、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)やストーカー規制法違反の罪に問われた新立文子被告(53)に禁錮4年6月(求刑禁錮5年6月)の判決を言い渡した。事故の原因は、新立被告が無理に右折し、直進車と衝突したことだった。

当初、判決は1月16日の予定だったが、新立被告が従来の主張を変え、公判中に起訴内容を一部争う意向を示したため、延期。裁判長は「不本意だが審理を続行せざるを得ない。主張を改めるならこれまでも時間があった」と指摘していた。

事故発生から9カ月間、新立被告が取った言動は理解不能、被害者感情を踏みにじるものばかり。はらわたが煮えくり返る思いだったに違いない。

■逆なで発言、仰天行動の連続

新立被告は保釈直後の6月下旬から、出会い系サイトで知り合った49歳の男性とLINEでやりとり。既読無視されたことにキレ、男性の職場の電話番号を調べ、2人の関係をバラすと脅し、ストーカー行為で逮捕された。7月17日の初公判ではきれいにセットされたヘアスタイル、ヒラヒラがついたブラウス姿の場違いな格好で出廷し、遺族や被害者に頭を下げるどころか、目も合わせなかった。

新立被告は「出会い系サイト」を使ったことについて、「自分が事故を起こした人間だと知らない人と話がしたかった」と法廷で述べている。

被害者弁護団の一員、石川賢治弁護士がこう言う。

「本来なら注意義務を怠ったことへの後悔の気持ちや、幼い子どもたちの命を奪った責任をどうやって取るのか、取れないのなら、どう罪を償えるかを考えるべきです。そんな時期に出会い系サイトを利用していたことに憤りを覚えます。一時でも自分が置かれた厳しい現実から逃げることを求めたのかもしれませんが、被告がそれをするのは間違っている。

お子さんを失った遺族は毎日、遺影と顔を合わせ、現実に向き合わされています。いまだに足を引きずっているお子さんの親は、その姿を見るたびに元の体に戻るんだろうかと心配しています。その人たちはそんなつらい現実から、逃げたいと思っても逃げられない。被告だけが現実から逃げるのは許されません」

新立被告は昨年12月、ABCテレビの単独インタビューに応じ、「不運が不運を呼んだ事故」「子どもがいるので(刑期が)短くなればいい」と、遺族や被害者たちの神経を逆なでする発言をした。

「さまざまな要因が重なって起きた事故です。何かの要因がなければ、違った結果になったかもしれません。確かにそうかもしれないが、皆が思っていることであっても、それを被告が言うのは違う。それを口にしていい人間といけない人間がいます。被告は第三者的な視点からこの事件を眺めることは許されないはずです」(石川賢治弁護士)

裁判長は「内省は深まっていない」とした上で、「すべての被害者に真摯に向き合い、真の意味で謝罪の気持ちを持ってください」と諭したが、その言葉は新立被告の心に届いているのだろうか。