秋田県知事「国から情報来ない」 対応に苦慮 クルーズ船に県内在住者

感染が拡大している新型コロナウイルスを巡って、秋田県が対応に苦慮している。集団感染が起きた横浜港で停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス(DP)」に県内在住者が乗船していた事が分かっても、詳細な情報を入手できず、政府からの対応指示も変わっているためだ。佐竹敬久知事は26日の県議会で情報収集に動く考えを表明した。【中村聡也、川口峻】
「国から情報が来ず、非常にやりにくい」。26日に行われた県議会2月議会本会議で、佐竹知事は語気を強めた。県内で感染例はまだないが「我々の判断で先手先手で(情報収集を)行う方針」といい、報道陣には、県内で感染者が出た場合、小中高校の入学式などの取りやめを検討する考えも示した。
全国知事会は21日、厚生労働省などに対し緊急提言の一つとして自治体への情報提供を要望。DP号の乗客などが帰宅した場合、フォローすることが考えられることから、必要な情報を共有するよう求めていた。しかし具体的な情報提供は少ないとみられ、佐竹知事は取材に「少なくとも出身地くらいは教えてほしい」と話している。
県はDP号からの下船者対応などで政府の方針転換に振り回されている格好だ。
県保健・疾病対策課によると、現在県が把握しているのはDP号に乗船していたものの検査で陰性となり21日に下船し秋田に戻った夫婦に関する情報だ。
同課は横浜検疫所から22日夜、船内検査で陰性だったため21日に下船した人の名簿を送付するとのメールを受信。対象者への健康観察を25日と3月2、6日に行うよう求める内容だった。
厚労省からメールで名簿が届いたのは23日午前3時40分ごろ。しかし、その約14時間後には、下船翌日から14日間、毎日対象者へ健康観察を行うよう指示が変更された。
県はこの段階で初めて2人に連絡。24日に県民の関心の高さなどを考慮して、DP号からの下船者が2人いることを公表した。この夫婦の健康観察は毎日行われており、25日時点では体調に特に変化はないという。
ただ、26日には一部報道でDP号に乗船していた県内在住の男性が陽性で、県外の医療機関に入院していることが報じられた。男性に症状はないとされる。同課は「県内の発症例ではないので、今は国に問い合わせても応じてもらえないが、男性が秋田に戻る際には情報提供があるので対応する」としている。
県内には現在、新型コロナウイルスに感染した際などに入院を想定している医療機関が9カ所あり病床数は30。患者から採取した検体のPCR検査(遺伝子検査)を行う県健康環境センターは1日最大約30件まで対応可能。