全国の小学校、中学校、高校や特別支援学校などの臨時休校が3月2日、全国各地で始まった。安倍晋三首相が新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、4日前の2月27日の夕方に呼びかけたものだ。
安倍首相は「この1、2週間が感染拡大防止の『正念場』」と説明し、北海道や千葉県市川市などで休校措置が取られていたことに触れ、「判断に時間をかけるいとまがない中、私の責任において判断させていただいた」と自らの政治決断だったと強調する。
春休みは地域や学校によっても異なるが、4月5日頃まで続くため、1カ月余りの休校となる。
突然の要請に対しては「共働きの家庭はどう対応すればよいのか」「学童保育のスタッフ確保は?」「長期間自宅にこもる生活に子供が耐えられるのか」など混乱する現場の声が聞こえてくる。また例年3月に行われる卒業式についても臨時休校に伴い、規模縮小や中止の学校が相次いでいる。
そこで『文春オンライン』では、緊急アンケートとして「安倍首相が全国の小中高に『休校呼び掛け』賛成?反対?」を実施。合わせて「新型コロナ感染防止のための『卒業式中止』に賛成?反対?」も聞いた。4日間で、692票、10代~80代から回答が得られた。その結果を見ていきたい。
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「休校要請」に賛成?反対?
両方の意見が拮抗するなかで「休校要請に賛成」(391票、56.5%)が「反対」(301票、43.5%)を上回った。各地での混乱が報道されるなか、感染拡大防止のためには休校もやむを得ないという人が多いようだ。
では多数派となった「休校要請に賛成」の具体的な意見を見ていく。
【休校要請に賛成――391票、56.5%】
何よりも感染拡大を防ぎ、人命を優先するべきという意見から。
「少しでもウィルスの拡散を防ぐことが今は必要。根拠云々を議論している時間はない。政治決断でやるしかない」(46・男性) 「1番大事なのは、パンデミックを止めること、そして人命である」(57・女性) 「水際作戦が失敗した今、対策はこれ以外ない。事態が好転するか悪化するか判明するまでは、安倍さんもブレずにいて欲しい」(54・男性) 「発症者が出ていない県でも表に出ていないだけかもしれないし、また、出てから休校にするのでは今までと同じ」(70・男性) 「基本的に一定期間、大人、子供とも国民全員の外出を控えるべきである」(49・男性)
安倍首相が訴える通り「子どもの安全のため」に必要という声も。
「子供の感染者数が少ないことから、子供の重症例が起こるか未知数でありもし死者が出れば恐ろしい事になる」(46・女性) 「こどもが電車通学をしており、いつどこで感染するかヒヤヒヤしていました。もっと早く休校にすべきだったと思います」(54・女性) 「将来ある子供たちと家族内高齢者を守るために有効な政策だと思う」(65・男性) 「仕事も大変かもしれないけど子供の命が一番大切だから」(30・女性)
「子どもからお年寄りに広めると危ない」
また子どもから大人への感染を防ぐためだという人も多かった。
「子供のいる家庭ではまず子供が学校でもらってきて、一家が次々に倒れていく……という図式になる。子供を学校や保育園に行かせている親はそれなりに『怖さ』を感じていると思う」(59・男性) 「子供は重症化しないといわれているが、保菌者になれば高齢の家族や地域の人々に無意識のまま感染させてしまう危険がある」(61・女性) 「子どもでも感染している子がいるし、学校で感染したウイルスを家に持って帰ってお年寄りに広めると危ないので」(60・女性)
そして今夏の東京五輪開催のため、判断は正しいという声も。
「オリンピックが開催されない時の経済ダメージを想像すると、最大限のコロナ感染防止に務める方が良いと思う。」(44・女性) 「五輪を控えておりこれ以上の感染拡大はIOCの印象を悪くして開催できなくなる」(51・男性) 「このままオリンピック中止延期で日本経済が壊滅すること思えば日本人は大人しくすべき」(39・男性)
では「反対派」の意見はどうだろうか。こちらも具体的な意見を見ていく。
【休校要請に反対――301票、43.5%】
そもそも要請が唐突すぎるのではという声から。
「現場の先生に教育委員会経由で話が行っておらず夜のニュースで知った、というのを聞いて驚いた」(51・女性) 「共働き家庭の子供の受け入れ体制など、何の対策も取らずにいきなり発表したため。無駄になった給食の発注費は全額補償するのか」(46・女性) 「台湾のように親の仕事の休みを保証するなどの対策を講じてからの休校なら良いけれど思い付きのような発言はあり得ない」(52・女性)
また、全国一律に要請したことへ首をかしげる人もいた。
「全国が同一行動をとる必要があるのか。インフルエンザと同じ対応でよいのでは」(75・男性) 「地域ごとに細かく対応すべきで、全国一斉休校は思い付きの愚策」(54・男性)
生徒の親や学校で働く人たちへの配慮に欠けるという意見も。
「今は、共働きであることが普通になっており、子供が幼い状態で、学校が休校になれば、子供の行き場がなくなります」(60・男性) 「家族がパートで学校関係の仕事をしている。来月の仕事がなくなり、収入の保証も無い」(55・男性)
「病院の診療が維持できず、縮小となります」
各職場からの切実な話も聞こえてくる。
「病院勤務です。普段からギリギリの体制での仕事でしたが、預かり先のない職員は仕事を休まざるを得ません。すると診療が維持できず、縮小となります。」(49・女性) 「経営者です。零細企業の為、パート雇用で仕事が回っている部分もあり、国が決めたことだからしょうがないと子供がいる人に休まれてしまうと、他の従業員にしわ寄せがきます」(47・女性)
感染防止対策の優先度が違うのではという意見も。
「海外からの入国制限など優先順位の高い政策がきちんと実施されていない」(56・男性) 「そもそも、一斉休校はコロナウィルスの感染防止に効果的な対策なのか、論理的な説明がなされていない。感染して重篤な症状になっている方や亡くなっている方は高齢者ばかり」(59・男性) 「今やることは、感染率が高い高齢者への対応であり、検査すら十分にできていないのでは」(61・男性)
では「卒業式中止」に賛成?反対?
そして今回の感染拡大、臨時休校を受けて、各地の学校では卒業式の規模縮小、あるいは中止の決定が相次いでいる。思い出の学びやに別れを告げる一生に一度の機会だが、卒業式の中止もやむを得ないのか。
「新型コロナ感染防止のための『卒業式中止』に賛成?反対?」のアンケート結果では「卒業式中止に賛成」(326票、47.1%)、「卒業式中止に反対」(366票、52.9%)とわずかに反対派が上回る結果となった。こちらも具体的な意見を紹介する。
【卒業式中止に反対――366票、52.9%】
「卒業式は卒業生にとって大事なイベント、親にとっても大事な行事、マスクの着用と消毒を徹底し、卒業生、父兄の参加のみで行う」(67・男性) 「1日のあの行動範囲内なら施設の消毒、マスク、手洗いなどの予防で抑えられると思うから」(48・女性) 「6年間、3年間色々学んだ思い出がある学び舎で卒業式が出来ないなんて可哀そう」(34・女性) 「中3の娘がいるが卒業前の最後の時間を失った上に卒業式までないとなると気持ちの上ですっきりしない部分があると思う。県立入試は予定通りやるのだから卒業式だってできるのでは?と思ってしまう」(51・女性) 「最低限の人だけ集めてやってもいいし、春休み以降に日を改めてするとか、記念行事なので考えてやればいいと思う。夏休み時に同窓会兼ねてというのも、新しい環境とかの話も出来て面白そうだと思う」(35・女性)
【卒業式中止に賛成――326票、47.1%】
「感情的なものは別にして、あらゆる方策を講じるべき」(66・男性) 「感染拡大防止に出来ることはやるべき。今は非常時です」(61・男性) 「卒業生にはかわいそうだと思うけど、足並みをそろえる事が大事なので、代替案を出した上で、一斉に中止、もしくは延期がいいかと思う」(41・女性) 「屋内密室で大人数の長時間行事なので、コロナの感染拡大の可能性が高い」(44・女性) 「とにかく予防するためなら。ネット配信の卒業式でもいいと思います」(38・男性)
子どもたちが安心して学生生活を送れるよう、新型コロナウイルス感染の一刻も早い収束が望まれる。
(「文春オンライン」編集部)