広島カープの菊池涼介選手が、元交際相手の女性から8000万円の慰謝料を請求され、3月6日付で東京簡裁に調停申立書を提出したと報じられている。女性は「真剣な交際」を主張しているが、菊池選手は恋愛感情を伴わない関係だったとみられる。 そもそも、慰謝料請求が認められる「真剣交際」とはどのようなものなのか。また、女性が請求した「8000万円」という額は妥当といえるのだろうか。 ●菊池選手は「真剣交際」を否定 AERAdot.(週刊朝日/3月14日)によると、当時、独身だった菊池選手は知人に女性を紹介され、「軽く付き合えるならお願いします」と返事をした。菊池選手は女性と「真剣交際」をしようという意思は持っておらず、女性に対する恋愛感情が芽生えることもなかったようだ。 一方、女性は菊池選手とは結婚を前提にした「真剣な交際」であったと主張。入籍後も菊池選手が結婚を隠して2度もホテルに呼び、肉体関係を持ったとしている。 菊池選手は事実関係が違うとし、女性が請求する8000万円の債務は存在しないという調停を申し立てた。 報道を見た広島弁護士会の加藤泰弁護士は「非常に驚きました。地元カープの菊池選手のことということもありますが、弁護士が知っている従来の『裁判所の感覚』からはなかなか想定できないことがちらほら書いてあったためです」と語る。 ●「法的保護に値する婚約の不当破棄」と言えるかどうか 一般的に、裁判所が男女間のトラブルで慰謝料の支払いを命じるのはどのようなケースなのだろうか。加藤弁護士はつぎのように説明する。 「一般的には、『不貞行為』と『法的保護に値する婚約の不当破棄』のみです。 相手の好意を得るために『結婚しよう』とか『子どもが欲しいね』などと結婚を前提とした会話をし、それが守られなかったからといって慰謝料が発生することは通常ありません。 2人の間で口頭で結婚の約束をした程度でも、広い意味では『結婚の約束』『婚約』と言えるかもしれません。しかし、そんな約束がすぐに裁判所で保護されるかというとそうではありません」 では、どのような場合に「法的保護に値する婚約」があったといえるのだろうか。 「裁判所は、結納を済ませていること、両親や職場へのあいさつを済ませていること、仕事を辞めたこと、式場を予約したこと、婚約指輪を買ったこと、などといった結婚を前提とした諸事情の有無から総合的に判断しています。 『真剣交際』という言葉の重みは人それぞれですが、上記のような事情がどれくらいあったのかという話になります。それらが備わっていて、『法的保護に値する婚約』が成立していたのに、正当な理由なくそれを破棄したとすれば、慰謝料の支払いを裁判所が命じるような話になると思います」 ●婚約破棄の慰謝料は「100~200万円程度」が多い
広島カープの菊池涼介選手が、元交際相手の女性から8000万円の慰謝料を請求され、3月6日付で東京簡裁に調停申立書を提出したと報じられている。女性は「真剣な交際」を主張しているが、菊池選手は恋愛感情を伴わない関係だったとみられる。
そもそも、慰謝料請求が認められる「真剣交際」とはどのようなものなのか。また、女性が請求した「8000万円」という額は妥当といえるのだろうか。
AERAdot.(週刊朝日/3月14日)によると、当時、独身だった菊池選手は知人に女性を紹介され、「軽く付き合えるならお願いします」と返事をした。菊池選手は女性と「真剣交際」をしようという意思は持っておらず、女性に対する恋愛感情が芽生えることもなかったようだ。
一方、女性は菊池選手とは結婚を前提にした「真剣な交際」であったと主張。入籍後も菊池選手が結婚を隠して2度もホテルに呼び、肉体関係を持ったとしている。
菊池選手は事実関係が違うとし、女性が請求する8000万円の債務は存在しないという調停を申し立てた。
報道を見た広島弁護士会の加藤泰弁護士は「非常に驚きました。地元カープの菊池選手のことということもありますが、弁護士が知っている従来の『裁判所の感覚』からはなかなか想定できないことがちらほら書いてあったためです」と語る。
一般的に、裁判所が男女間のトラブルで慰謝料の支払いを命じるのはどのようなケースなのだろうか。加藤弁護士はつぎのように説明する。
「一般的には、『不貞行為』と『法的保護に値する婚約の不当破棄』のみです。
相手の好意を得るために『結婚しよう』とか『子どもが欲しいね』などと結婚を前提とした会話をし、それが守られなかったからといって慰謝料が発生することは通常ありません。
2人の間で口頭で結婚の約束をした程度でも、広い意味では『結婚の約束』『婚約』と言えるかもしれません。しかし、そんな約束がすぐに裁判所で保護されるかというとそうではありません」
では、どのような場合に「法的保護に値する婚約」があったといえるのだろうか。 「裁判所は、結納を済ませていること、両親や職場へのあいさつを済ませていること、仕事を辞めたこと、式場を予約したこと、婚約指輪を買ったこと、などといった結婚を前提とした諸事情の有無から総合的に判断しています。
『真剣交際』という言葉の重みは人それぞれですが、上記のような事情がどれくらいあったのかという話になります。それらが備わっていて、『法的保護に値する婚約』が成立していたのに、正当な理由なくそれを破棄したとすれば、慰謝料の支払いを裁判所が命じるような話になると思います」