NHKの受信契約に関する個人情報を不正取得し、インターネット上に流出させるとNHK側を脅したとして、警視庁は7日、「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首(52)を不正競争防止法違反と威力業務妨害の容疑で書類送検した。当時NHKの集金スタッフで立花氏に協力したとみられる無職の男(26)も不正競争防止法違反容疑で書類送検した。
立花氏の書類送検容疑は2019年9月14日、東京都杉並区内の駐車場で、無職の男が持っていた集金用タブレット端末の画面を撮影し、同区の19世帯分の氏名や住所、受信料の支払い方法などを不正に入手したとしている。さらに11月19日、NHKに電話をかけ、上田良一会長(当時)に面会させなければ、これらの情報をネット上に流出させると脅すなどして業務を妨害したとしている。無職の男も個人情報の不正取得に協力したとしている。
捜査関係者によると、2人とも大筋で容疑を認めている。
警視庁はNHKからの相談を受けて捜査を開始。3月14日には立花氏から任意で事情聴取し、党事務所など数カ所を家宅捜索した。立花氏は19年10月、ネット上に東京都中央区議の男性を脅した動画を投稿したとして、脅迫容疑でも書類送検されている。【土江洋範、最上和喜、鈴木拓也】