NHKの契約者情報を不正に入手したとして書類送検されたNHKから国民を守る党(N国)の立花孝志党首(52)。「NHKをぶっ壊す」を合言葉に参院選で初当選するなど躍進したが、当選後もトラブルが絶えなかった。
N国のホームページなどによると、立花党首は元NHK職員で、退職後の2013年にN国を立ち上げ、昨年7月の参院選比例代表で当選。「契約はするが受信料は不払いにする。(自分を)速やかに訴えてほしい」と表明するなど、その言動で注目を集めた。しかし、同10月の参院埼玉選挙区補欠選挙に立候補して自動失職し、補選でも落選した。
立花党首は参院当選前から、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開した動画で自身の主張やN国の活動を積極的に発信し、視聴者から支持や金銭的支援を得ていた。一方で、動画内の発言をめぐって脅迫容疑で書類送検されるなど、トラブルに発展することもあった。
昨年11月には奈良県桜井市長選に立候補。選挙活動名目で東京・渋谷のNHK放送センター前や上田良一会長(当時)の自宅付近などで街頭演説を繰り返した。「近所迷惑になっているから会長は面会に応じて」などと要求する様子を動画で撮影し、自ら投稿した。
今年3月、不正競争防止法違反容疑などで家宅捜索を受け、任意で事情聴取された後には動画や記者会見で経緯を説明し、「犯した罪は償う」と話した。一方で「被害者のない事件と認識している」などと述べ、党首辞任は否定していた。
[時事通信社]