新型コロナウイルスの急激な感染拡大を受け、大阪府と兵庫県は13日、緊急事態宣言の発令に伴う休業要請を正式に決定した。大阪は14日、兵庫は15日の午前0時からそれぞれ要請を始め、期間は両府県ともに5月6日までを予定している。府は週末の感染状況や外出自粛要請の効果を分析した結果、感染者が爆発的に増える「オーバーシュート」が現実味を増しているとして、休業要請は避けられないと判断した。
府は13日午後に対策本部会議を開き、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく休業要請の実施を決めた。吉村洋文知事は会議後に記者会見し、「さらに厳しいお願いだが、府民の命を守っていきたい」と述べた。
府は厳しい財政状況を踏まえ、要請に伴う休業補償はしない。ただ、国の緊急経済対策に盛り込まれた中小企業などへの給付金について、府独自で拡充する支援策を検討しており、吉村知事は「4月中に補正予算を編成したい」と語った。
大阪では11、12日の週末、新たに計115人の感染が確認された。1週間前の週末(計62人)と比べてほぼ倍増し、感染経路不明の患者も高い割合を占める。
国から提供を受けた、スマートフォンの位置情報データも分析した結果、繁華街の梅田や難波周辺の人出(12日までの5日間)は緊急事態宣言が発令された7日に比べ、3~6割減にとどまっていることも分かった。府は外出自粛要請の効果が不十分だとして、現状では感染拡大を防げないと結論づけた。
休業要請は幅広い業種に及び、ナイトクラブやカラオケ店、映画館、スポーツクラブ、大学などが対象になる。要請に応じない場合、指示への切り替えや施設名の公表も可能になる。特措法の施行令で要請が認められていない1000平方メートル以下の施設については、任意で協力を依頼する。
社会生活の維持に必要な病院や食料品店、公共交通機関、保育所、学童クラブなどは含まれない。居酒屋を含む飲食店も営業時間を午前5時~午後8時とし、酒類の提供は午後7時までにするよう求める。
兵庫県は休業要請の開始時期について、施設側の準備が必要だとして、15日から発動することを決めた。対象施設は大阪と同じ内容になる。
11日には1日あたりで最多の42人の感染も確認され、井戸敏三知事は13日の記者会見で、「大阪とできるだけ(要請時期を)そろえ、地域全体としてお願いする」と述べた。大阪と同様に休業補償はしないが、協力した施設への支援策を検討する方針。
一方、福岡県と千葉県も休業要請を決定し、14日午前0時から実施する。これで緊急事態宣言の対象地域の7都府県全てに拡大することになる。【芝村侑美、上野宏人、藤顕一郎】