橋下徹が山中伸弥に問う「新型コロナによる死亡者数をどう見るべきか」

4月7日に発令された「緊急事態宣言」により、幅広い事業が休業や事業活動の縮小を余儀なくされ、経済に与える打撃が懸念されている。
橋下徹氏が「文藝春秋」5月号でのインタビューで、有事の際に政治家に求められる能力について語った。
「感染症拡大を阻止する安全性」と「社会活動促進による経済性」。状況を総合的に判断し、この2つのバランスを上手くとるのが、政治家に必要な能力だと橋下氏は言う。その上で「感染者数」の扱い方について疑問を呈した。
「死亡者数を抑えればいい」という戦略
「今は感染者数に注目しすぎているため、社会活動の抑制がかなり強いです。ここを『死亡者数を抑えればいい』という発想に転換し、医療体制の整備に注力すれば、社会活動を徐々に通常運転に戻すことが可能になります。そこでまた死亡者数が増えてきたら、再度社会活動を抑えればいい。
この死亡者数の目安をどうするかという問題はありますが、例えば日本における季節性インフルエンザによる年間の死亡者数は約3000人となっています。これに比べると、新型コロナウイルスによる現時点での日本での死亡者数は、かなり少ないように感じます」(橋下氏)
しかし――。
かねてから親交のある京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授に、橋下氏がこの考えを伝えたところ、以下のような回答があったという。
山中教授の回答で「脳天に衝撃が走りました」
「季節性インフルエンザが原因で亡くなる方は、もともと他の病気で入院されていた方が、インフルエンザをきっかけに細菌性肺炎を併発するなどして亡くなる事例が多いです。この場合、病気の進行が比較的緩やかで延命措置が必要な患者が集中する事態にはならず、人工呼吸器が足りなくなることはほぼありません。
ところが新型コロナウイルスは、普通に元気だった人が一気に肺炎になり重症化する恐れがあります。そうなると人工呼吸器が足りなくなり、どの患者を生かすかの選択を迫られる事態も生じます。私自身は元気で季節性インフルエンザになっても死ぬリスクはまず無いと思っています。ところが新型コロナだと数%の死のリスクが生じる。20代、30代でも感染すると500人に1人は亡くなると報告されています」(山中氏)
この山中氏の指摘を読み、橋下氏は「脳天に衝撃が走りました」と言う。では、このリスクを正しく受け入れた上で、政治家はどう闘うべきなのか――。
橋下氏が、一斉休校措置の評価、専門家の活用の仕方、有事の際の政治家の「決断力」や「発信力」などについて語ったインタビュー「 安倍総理よ、今こそ日本に『強い決断』を 」全文は、「文藝春秋」5月号、「文藝春秋digital」に掲載されている。
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(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2020年5月号)