新型コロナ便乗、不審電話 「大切な説明、自宅に伺う」 宮城県警が注意促す

新型コロナウイルスの感染拡大に便乗した不審な電話が宮城県で相次いでいる。他県では「10万円一律給付の案内」と偽り、個人情報を聞き出そうとするメールも確認されており、宮城県警は「特殊詐欺などの被害に遭う恐れがある」と注意を呼びかけている。
県警生活安全企画課によると2月下旬、仙台市泉区に住む80代女性宅に警察官と偽る男から「コロナに関する大切な説明がある。これから自宅に伺う」と電話があった。不審に思った女性は県警に相談した。
松島町の飲食店にも3月中旬、保健所員と名乗る人物から電話があり「10日間、営業を自粛してください」と言われた。同課は新型コロナウイルスを口実にして、詐欺行為の準備として個人情報の入手や所在確認の意図でかける「アポ電」だった可能性もあるとみている。
政府が緊急支援策として現金10万円の一律給付を決めたことを悪用し、「携帯電話キャリア会社を通じて配布する」などと記された不審なメールが届く事案も全国で相次いでいる。メールは「給付のための手続き」と称して、偽のホームページに誘い込もうとする手口で「個人情報を盗み取るフィッシング詐欺の可能性もある」(同課)という。
県内では今年3月末までに特殊詐欺の被害が約50件確認されており、被害総額は約1億800万円に上る。同課の高木努課長補佐は「少しでも怪しいと思ったら、警察や家族にすぐ電話してほしい。知らない番号の電話には出ないことも大事だ」と注意を促した。
交通事故、ほぼ半減
一方で、県内の交通事故は減っている。春の交通安全運動期間中(6~15日)の事故発生件数は78件と過去10年で最も少なかった。発生件数、負傷者数ともに前年同期からほぼ半減した。県警交通企画課は、新型コロナウイルスによる外出自粛で「交通量が減少したことも要因の一つ」と分析している。
ただ、期間中に3件発生した死亡事故は、いずれも車線はみ出しなどによる単独の事故で同課は「緊張感を持った運転をしてほしい」と県民に呼びかけている。【藤田花】