公明党は30日の中央幹事会で、沖縄県議選(5月29日告示、6月7日投開票)に擁立予定の4人のうち、現職(浦添市区)と新人(那覇市・南部離島区)の2人の公認を撤回することを決めた。新型コロナウイルスの感染拡大により、当選に向けた十分な活動ができないと判断したためで、異例の対応となる。
北側一雄副代表は30日の記者会見で、「県本部と2人が協議を重ねてきた上での苦渋の判断だ」と述べた。公明党は沖縄県議選(定数48)で、自民党などとともに、現在は過半数を占める玉城デニー知事支持派(26人)からの過半数奪還を目指していた。公明党は残る公認済みの2人は予定通り出馬するとしているが、今回の公認取り消しに伴い、自民党内では「過半数確保は難しくなった」(幹部)との見方が広がっている。
公明党は、沖縄県議選について、今年の「最重要選挙」と位置付け、党を挙げて応援準備を進めてきた。ただ、支持母体の創価学会は感染防止のため2月から集会を自粛し、事実上の活動停止状態が続いている。沖縄県にも緊急事態宣言が出される中で、「組織力を生かした地上戦が展開できない」(公明党関係者)との結論に至ったという。
公明党は、緊急事態宣言地域での地方選延期を可能にする法整備を目指しているが、自民党の協力が得られず、成立の見通しが立たないことも今回の決断に影響したとみられる。公明党県本部の金城勉代表は30日、「延期に値する事態と訴えてきたが、国や県はそういう決断をしないまま今日に至り、誠に残念だ」との談話を発表した。