4月以降に死者急増 北海道 集団感染相次ぎ

新型コロナウイルス感染者の死亡が3日、北海道内で40人を超えた。2日発表分までの感染者数は都道府県別で6番目だが、死者は東京都、大阪府に次ぐ3番目の多さだ。集団感染が発生している介護施設の入所者や病院の入院患者も亡くなり、専門家は持病のある高齢者らを感染から守るよう注意喚起する。
道内の死者は3月末時点で7人だったが、高齢者施設や病院での集団感染が相次ぎ発生した4月以降に急増した。死者41人の年代別の内訳は、50代1人▽60代5人▽70代7人▽80代14人▽90代5人▽非公表9人(高齢者と発表の2人含む)。性別が公表された死者36人中、男性が30人と8割を超える。
一方、発表では死者の入院先や基礎疾患の有無など詳細が伏せられる場合がほとんど。「持病悪化」という札幌呼吸器科病院の入院患者2人など、死因の公表もごく少数にとどまる。道幹部は「基礎疾患のある高齢者が亡くなる例は多いが、(公表を望まない)遺族の意向は尊重せざるを得ない」と話す。
感染症対策に詳しい北海道医療大の塚本容子教授は「喫煙者は重症化しやすいと言われる。男性の死亡が多い一因ではないか」と推測。「死亡リスクを下げるには、高血圧や糖尿病などの基礎疾患を治療で抑えることが大切。無症状でも感染している可能性はある。高齢者施設や病院にウイルスを持ち込まないよう、一人一人が気をつけるべきだ」と訴える。【岸川弘明】