厚生労働省は7日、米ギリアド・サイエンシズ社の抗ウイルス薬「レムデシビル」を新型コロナウイルスの治療薬として特例承認した。国内での治療薬承認は初めてとなる。レムデシビルの需要が世界的に高まると、国内に十分な量が供給されない可能性があり、当面は国が薬の配分を管理する。
ギリアド社が4日に承認を申請し、厚労省薬事・食品衛生審議会の専門部会は7日、承認について審査した。米食品医薬品局(FDA)が1日にレムデシビルの緊急使用を許可しており、日本でも医薬品医療機器法に基づいて審査手続きが簡略化される特例承認の対象となっていた。
レムデシビルは静脈に投与する点滴注射薬。ウイルス増殖を抑える働きがあるとされ、エボラ熱の薬として開発が進められた。FDAは重症度に応じて5日間か10日間投与することを推奨している。ただ、副作用として腎機能や肝機能の低下が指摘されており、慎重な投与が求められる。
ギリアド社は10月までに50万人分、12月までに100万人分の生産量を目指すと発表しているが、日本への配分量は未定だ。【金秀蓮】