居場所ない妊婦に「実家」を クラウドファンディングで施設建設費募る 神戸

思いがけない妊娠の「SOS」を24時間体制で受ける「小さないのちのドア」(神戸市北区)が、頼る先がない妊婦を受け入れる「マタニティ・ホーム」の建設費をクラウドファンディングで募っている。新型コロナウイルスの感染拡大で相談件数が増えており、支援者は「居場所のない女性たちが安心して過ごせる『実家』のような場所をつくりたい」と呼びかける。
「ドア」には、妊娠後に誰にも相談ができないまま経済的に困窮し、インターネットカフェを転々とする女性など、緊急性の高い相談が寄せられてきた。マタニティ・ホームへの受け入れは5人程度を想定。おなかが目立ち働けなくなる妊娠7~8カ月ごろから産後1~2カ月まで生活できるようにし、就労や特別養子縁組の手続きなどをサポートする。
建設を予定するのは、小さないのちのドアが併設されている「マナ助産院」に隣接する用地。6月中に着工し、2021年初めの運用開始を目指す。土地は既に取得しており、今回は建設費2500万円のうち1000万円を募る。「孤立している女性に、多くの人が寄付を通して応援しているんだよ、という温かいメッセージになればうれしい」と永原郁子代表理事。
クラウドファンディングのサイトは、https://readyfor.jp/projects/inoti-door3。6月30日まで。【反橋希美】