「新手ヤミ金」コロナで横行、給与減った会社員狙う

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、給与が減って困窮する会社員らを狙った「新型ヤミ金」が横行している。「給与ファクタリング」と呼ばれ、業者はSNSなどで給与の前借りのようなイメージを宣伝しているが、合法的な商取引「ファクタリング」と違い、実態は法外な金利で金を貸すヤミ金融。コロナ禍で困窮する人が増える中、多重債務に陥るケースが出る恐れも指摘される。
■ネットで勧誘
「コロナで先が見えず、また給与ファクタリングに手を出してしまうかもしれない」。イベント会社に勤務する愛知県の男性(42)は打ち明ける。イベント中止で自宅待機が続き、残業代が大幅に減った。5月に給与が支払われるかわからず、現金も底をつきつつあるという。
ファクタリングとは、売掛債権(取引先から将来代金を受け取る権利)の買い取り業務を意味する言葉で、本来、企業が売掛債権を譲渡し、資金調達する合法的な手法だ。例えば100万円の売掛債権をファクタリング業者に売れば、企業は現金が早く手に入る。業者は手数料を取り、取引先に後日100万円を請求する。
給与ファクタリングは売掛債権を給与に置き換えたものだが、業者の請求先は利用者本人で、ファクタリングと根本的に異なる。年利換算すると、利息制限法の上限金利(年15~20%)を大きく超える数百~1000%超の手数料を取るケースが多い。
愛知県の男性は昨夏、インターネットで業者を見つけた。運転免許証などの写真を送信し、給料5万円分の債権売却を申し込むと、すぐに3万9000円が口座に振り込まれた。給料が入ると5万円を業者に支払う約束で、差額1万1000円が手数料だったが、当面の生活費が必要で、気に留めなかったという。
業者に「支払いが滞ったら職場に電話する」と迫られ、4月に利用をやめた。男性は「ヤミ金と思わなかった。ネットにはいいことばかり書かれ、困っている人は手を出してしまう」と振り返った。