ネットで誹謗中傷を受けていた女子プロレスラーの木村花さんが亡くなったことを受け、法改正を求める声が高まっています。 ツイッターでは「#SNS上の誹謗中傷が法に基づいて裁かれる社会を望みます」というハッシュタグが登場。インターネット署名サイトでは「プロバイダ責任制限法の改正と刑事罰化」を求めるページが立ち上がりました。 高市早苗総務大臣は5月26日、発信者情報開示の手続きについて見直しを進める考えを明らかにしました。木村さんが亡くなる前の4月30日から、総務省では「発信者情報開示の在り方に関する研究会」が始まっています。 今の制度では、被害者が誹謗中傷した人の情報を特定するのに最低2回の裁判が必要で、時間やお金がかかることが問題となっています。さらに、裁判をしても相手を特定できずに、費用倒れとなることもあります。 現状を変えるために、どのような制度改正が必要なのでしょうか。 ●課題1 裁判に時間やお金がかかる 研究会のなかで、検討課題として挙げられているのは3つです。 1つ目は、発信者を特定するための裁判に、時間やお金がかかるということです。 誹謗中傷を書き込んだ相手に対し損害賠償請求をする場合、まず相手を特定しなければなりません。 まず、SNS事業者や掲示板管理者などのコンテンツプロバイダに対して開示請求をおこない、そこで判明したIPアドレスなどを元に、電話会社などアクセスプロバイダに開示請求をおこないます。こうして、ようやく発信者の氏名や住所が判明します。 裁判を起こしてから決定や判決が出るまでには、時間がかかります。IPアドレスが開示されるまでは国内法人の場合、申立から1カ月ほど、氏名や住所が開示されるまではそこから早くて3カ月~1年程度かかることが多いです。 TwitterやGoogle、Facebookなど海外法人が相手の場合、さらに時間がかかることも問題となっています。 ●課題2 開示される情報が限定されている 2つ目は、コンテンツプロバイダから開示される情報が限定されているため、特定へのハードルが高くなっていることです。 誹謗中傷を書き込んだ相手を特定しようとした場合、まず、コンテンツプロバイダに対して、IPアドレスやタイムスタンプなどの開示請求をおこないます。 ここで問題になるのが、ログの保存期間です。保存期間はSNSの場合に使用されることが多い携帯電話では90日程度のため、被害から法的手続きをとるまでに時間がかかると、ログの保存期間が過ぎ、相手を特定できなくなるケースがあります。
ネットで誹謗中傷を受けていた女子プロレスラーの木村花さんが亡くなったことを受け、法改正を求める声が高まっています。
ツイッターでは「#SNS上の誹謗中傷が法に基づいて裁かれる社会を望みます」というハッシュタグが登場。インターネット署名サイトでは「プロバイダ責任制限法の改正と刑事罰化」を求めるページが立ち上がりました。
高市早苗総務大臣は5月26日、発信者情報開示の手続きについて見直しを進める考えを明らかにしました。木村さんが亡くなる前の4月30日から、総務省では「発信者情報開示の在り方に関する研究会」が始まっています。
今の制度では、被害者が誹謗中傷した人の情報を特定するのに最低2回の裁判が必要で、時間やお金がかかることが問題となっています。さらに、裁判をしても相手を特定できずに、費用倒れとなることもあります。
現状を変えるために、どのような制度改正が必要なのでしょうか。
研究会のなかで、検討課題として挙げられているのは3つです。
1つ目は、発信者を特定するための裁判に、時間やお金がかかるということです。
誹謗中傷を書き込んだ相手に対し損害賠償請求をする場合、まず相手を特定しなければなりません。
まず、SNS事業者や掲示板管理者などのコンテンツプロバイダに対して開示請求をおこない、そこで判明したIPアドレスなどを元に、電話会社などアクセスプロバイダに開示請求をおこないます。こうして、ようやく発信者の氏名や住所が判明します。
裁判を起こしてから決定や判決が出るまでには、時間がかかります。IPアドレスが開示されるまでは国内法人の場合、申立から1カ月ほど、氏名や住所が開示されるまではそこから早くて3カ月~1年程度かかることが多いです。
TwitterやGoogle、Facebookなど海外法人が相手の場合、さらに時間がかかることも問題となっています。
2つ目は、コンテンツプロバイダから開示される情報が限定されているため、特定へのハードルが高くなっていることです。
誹謗中傷を書き込んだ相手を特定しようとした場合、まず、コンテンツプロバイダに対して、IPアドレスやタイムスタンプなどの開示請求をおこないます。
ここで問題になるのが、ログの保存期間です。保存期間はSNSの場合に使用されることが多い携帯電話では90日程度のため、被害から法的手続きをとるまでに時間がかかると、ログの保存期間が過ぎ、相手を特定できなくなるケースがあります。