妻殺害の夫に懲役15年=別人装いSNSで呼び出し―高知地裁

別居の妻をSNSでホテルに誘い出し殺害したとして、殺人の罪に問われた土居巧被告(21)の裁判員裁判の判決が2日、高知地裁であった。吉井広幸裁判長は「犯行は執拗(しつよう)かつ残虐」と述べ、懲役15年(求刑懲役17年)を言い渡した。
判決によると、土居被告は昨年11月20日午後5時ごろ、インスタグラムでシングルマザーになりすまし、高知市長浜のホテルの一室に呼び出した妻の彩乃さん=当時(22)=の首を両手で数分間絞め続け殺害した。
土居被告側は、「パニックに陥った末の衝動的犯行」などと主張。一方、吉井裁判長は、「被害者にじゃれあうように装って布団をかけ、馬乗りになって体の自由を束縛して犯行に及び、パニックになっていた様子はない」と指摘し、「特にくむべき事情になるとは解し難い」と述べた。
また、犯行動機については「婚姻関係にあった被害者が離れてしまうのであれば、殺害するのもやむなしという短絡的かつ自己中心的なもので、同情の余地は全く存しない」と述べた。
[時事通信社]